日航独語

日航を潰せない理由が分からない。
日航の路線が採算に乗るならば、日航をつぶしても別のキャリアがその穴を埋めるだろう。日航の路線が採算に乗らないならば、政府支援を行っても赤字体質は変わらないので、どのみち不採算路線は閉じられることになるだろう。
労働債権も含めて、ご破算にして新しい航空会社を支援した方がよほどいいと思う。
輸送には代替手段があるし、人間の移動についてはIT化を進める良い機会でもある。
金融機関を潰せないのとは訳が違うのだ(金融機関でもやりようによっては潰せるわけだが)。
債権者も労働者も取引先も会社が破綻すればその影響を被る。他の業界ではどこででも見られる現象だ。
日航を潰したとしても弊害は小さい。むしろ日航を残すことによって生じるモラルハザードの方が弊害が大きい。
私は早い時期から日航に見切りをつけていたのでマイレージ等の損失は無い。
見切りをつけるにはそれ相応の理由もあったのだが、今更それを書く気にはなれない。
死すべき者は死ぬべきである。


私は自費で乗る時に一二度スカイマークを利用したことがある。
噂にたがわぬ「簡素さ」だった。安っぽい座席、少ない乗務員、ノーサービス、前方の画面は航路を映しているだけ。
しかしせいぜい1時間、長くても90分しか乗らないのだから、それで構わない。
機内でコーヒーを飲んだり、新聞を読んだり、乗務員の笑顔を見るために、もう数万円上乗せして払うのはバカらしい。
故・山城新伍氏はいかにも客室乗務員を好きそうなスケベ親父だったが、その彼にしてもあんなに意味の無いサービスのために高いカネを支払うのはバカかしいと言っていた。国内線だったらどうせ1時間くらいしか乗らないのに、茶や飴を配るサービスは要らない。
スカイマークはなんとかぎりぎり採算ライン付近でとどまっているようだが、スカイマークが倒産したら政府は支援するのだろうか。


日航の労働者もこれからは自分たちが被害者のようなつもりでいて貰っては困る。
これからは国民の税金を注がれ、より弱い人たちの血税を食らう加害者である。
民主党政府はさっさと日航を潰すべきだと思うし、残すにしても、潰せる算段をつけておくべきである。
日航は経営も労組も腐りきっているので、中の人間が変わらない限り、再建は難しいだろう。
それを敢えてやると言うなら、それはもう民主党政府の責任である。前原国土交通大臣と彼を支える副大臣らは再建が軌道に乗らなければ政治家の職を辞すくらいの覚悟でやって欲しい。