2010-01-01から1年間の記事一覧

愛されなくてもいいのだよ

江戸の仇を長崎で、と言うが、類似した事例は一般人の議論ではしばしばある。これだから日本人は議論下手だとは言うまい。欧米人の我田引水、屁理屈ぶりからすれば日本人など可愛いものだ。欧米をことさら理想視するのは欧米人と議論をしたことがない者だけ…

由比ヶ浜の朝日

材木座方面。岬の先に見えるのは逗子マリーナ。 稲村ヶ崎が見える。

鎌倉幕府雑感

日本史は基本的に血腥いものだが、鎌倉時代は特に血腥いと思う。それはおそらく寡頭共和政治的な、鎌倉における東国武士団連合政体という実質を、北条家が中心になって身分制の律令国家という外枠にあてはめるという、無理、をしなければならなかったからだ…

石原都政下でのマンガ・アニメ規制が不適当である理由

私にも感情があるから、好き嫌いはむろんある。むしろ他人よりも濃厚にあるかも知れない。凌辱系のマンガやアニメ、ゲームは嫌いであるし、そういうのを目にするのも嫌いだ。 もう十何年も前、パソコンソフトを買おうとして、たまたま隣に陳列してあった少女…

死は祝福

今月号(新年号)の文藝春秋を読んでいて、もうこの雑誌も御仕舞だなと思った。新年に向けた特集記事が「弔辞」ってのはどうなのよっていう。文藝春秋はこれに限らず、このところずっとお年寄り向けの特集記事ばかりやっていて、出版不況の中、固定客のご老…

科博雑感

先月、上野の科博に行ってきた。科博に行くのはかれこれ10年ぶりくらいで、主要な展示物には変更はないけれどもその解説や新たな知見の追加が10年という時の流れを物語っていた。 西美に行くか、科博に行くか、決めもせずに家を出たが、たまたま航空宇宙史の…

シンタローとエバ・ブラウン

どういう人たちと付き合うか決定できるならば、周囲の人間の言動の責任は私たちの責任の一部であると思う。ヒトラーの愛人のエバ・ブラウンが、ナチスのユダヤ人政策に積極的に関与したとみなす理由はまったくないが、アドルフ・ヒトラーの反ユダヤ傾向はホ…

中国と北朝鮮

先日の中国政府の「重大発表」は韓朝両国の自制を求めるという何の変哲もない内容だったが、これをどう読むべきなのかは案外難しい。 北朝鮮への明白な支持を行わなかったこともあり、中国が現在の状況、およびこれに至った北朝鮮指導部の強硬姿勢を十分にコ…

とりあえず、国家は暴力だよな

僕なんか毎日、ああやだなあやだなあ国家やだなあと思いながら暮らしてる。なんで税金とるの?なんで気に入らない奴殴っちゃいかんの?俺の暴力、認めろよ、と思いながら暮らしている。 僕と僕たちの間にいったいなにがあるのだろう。 僕は僕なのかそれとも…

裸の真実

世の多くは虚飾に満ちていて、そうであるのがあまりにも当たり前であるので、人にとっての虚飾は、ヤドカリにとっての巻貝のような、自己以外に延長された自己であるかのような、無意識の美しい誤解、不可欠の虚構である。 クレーム対処のような場面で、「こ…

sengoku38 の行為について

これを言うのは我流の読み方が過ぎる、あるいは意地悪になってしまうかも知れないけれど、玄倉川さんの記事「ビデオ流出は「ハプニング」」を読んでいて、過去に小沢一郎および鳩山元首相が天皇陛下と習近平・中国国家副主席との会見を強引にねじ込んだこと…

知る権利を揺るがす菅内閣の判断

玄倉川の岸辺さんからお返事の記事をいただいた。早速のレスポンスありがとうございます。 前記事で私は「羽毛田宮内庁長官発言問題」と「sengoku38問題」を比較して、その評価の基準の一貫性を問題にしたのだが、そのふたつの事件の評価については玄倉川さ…

中国と英国の「ケシ」摩擦

英国、中国のイチャモン受け付けず ケシの花めぐる“歴史摩擦” - MSN産経ニュース 僕としては、これについてはどこからどう見ても、キャメロンを弁護する余地はないと思う。 兵士たちを追悼するのは指導者としては当然の責務だとしても、基本的には他国には関…

クラリネットは難しい

芸術の秋ということで新しい楽器でも始めようと思って、クラリネットを買った。なにこれ難しい。 楽器はこれまで、義務教育でやったのを除けば、ピアノとフルート、エレキバイオリン等々をやってきたけれど、音を出すだけでこんなに苦労したのはクラリネット…

オオカミ再導入の必要性について

僕がオオカミ再導入を支持しないわけ - ならなしとり オオカミ再導入と聞けばマングース導入の失敗を思い起こす人がたくさんいるだろう。外来種の安易な導入の結果、生態系が脅かされている状況は日本にもあるし、特にオーストラリアはそうした失敗例で満ち…

エカテリンブルクの二枚貝

タイトルは釣りです。 もう秋だよ。亜熱帯化著しい関東平野南部でも、さすがに肌寒くなってきました。 ずいぶん、長い間、ブログ放置してんなあ。これまでも何度となくやらかしてきたことだけど。 ブログを書いているとですね、自分の場合は文章の劣化が著し…

小沢惨敗

後出しで「こうなるだろうと思っていた」と言うのはみっともないだろうが、私は事前に小沢と言う選択はあり得ないと明言していたので、そう後出しでもないだろうと思っている。 小沢の惨敗については、一般党員の投票が小選挙区制と同じで the winner takes …

民主党代表選について

菅か小沢かという選択自体があり得ない話である。わづか数ヶ月前に辞任をして政局を混乱させた張本人が、ここで名乗りを上げること自体、あり得ないことだ。 もし、菅か小沢かという選択をしなければならないなら、菅以外にはあり得ない。あり得ないが、仮に…

兄弟姉妹考

古人曰く、兄弟は他人の始まり、世には睦みあう兄弟姉妹もいれば、憎悪しあう兄弟姉妹もいる。その違いの原因はどこにあるのかを考えている。 ある人から見て、親、兄弟姉妹*1、そして子の遺伝的な距離は等しい。エラー的に発生する突然変異を無視すれば、そ…

ゲゲゲの龍馬

「ゲゲゲの女房」、毎日楽しみに視聴している。村上春樹さんの言うところの小確幸だ。こういう小さなアクセントがあれば、生きるのが楽しい。 「龍馬伝」、長崎編になって個人的にはますます面白くなっているのだが、視聴率的にはどうも惨敗のよう。「私が好…

マグロのはなし

クロマグロの日本海産卵群は壊滅的 - 勝川俊雄 公式サイト 魚類(特に回遊性の魚類)は膨大な数の卵を産むので、生存率がコンマ何パーセント上下しただけでも、成魚の数は劇的に変化する。漁業による圧力だけではなく、むしろ自然のサイクルで海域において支…

やる気が起きないことについて

鬱というほど病理的なものではないが、あらゆることにやる気が起きず、関心が持てない。本の一冊も読み通すのが困難になってきた。そろそろ人生の折り返しを過ぎて、先が見えたせいかも知れない。 何かニュースが起きても、どうでもいいとしか感じなくなって…

死刑執行のサボタージュについて

先日の参院選で落選した千葉法相については、就任以来一度も死刑執行の署名を行っていないことに対して批判が集まっている。かつて、自民党政権においても、信教上の信念を理由として死刑執行を署名しない法務大臣がいたが、私はそれについては批判した。 千…

名誉ある敗北

先日の参議院選挙で与党である民主党は大敗、国民新党は惨敗したが、その原因については、様々な見方があろう。鳩山前首相と小沢前幹事長のカネにまつわる諸々の疑惑、菅首相の消費税率引き上げ発言、敗因はいろいろと考えられる。 私自身について言えば、今…

幻のガラパゴス

http://d.hatena.ne.jp/michikaifu/20100708/1278610532 こちらのご意見におおむね同意。 英語を社内公用語化することよりも、即効的に意味があって重要なのは社内文書を英語化することだろうと思う。 私企業を動かすものは損得勘定なのだから、英語を社内公…

マンガ感想諸々

散歩圏内にマンガ喫茶が出来たこともあり、この1年くらい「このマンガがすごい」等を参考にして話題作を読むようにしてきたが、「このマンガがすごい」はそうすごくはないなと言うのが率直な感想だ。 当然のことながら、社会人になってからは読むマンガの量…

ガラパゴス化は不可能

英語社内公用語化論をめぐる諸々の意見を読んでいると、パーソナル・コンピューターのオフィスへの導入期のあれこれを思い出した。 「コンピューター使用を義務づけたならばコンピューターは出来るけれども仕事が出来ない人間が社内を闊歩するようになる」 …

衆議院比例区定数削減問題

私はよく「小選挙区論者」と批判されたり、はたまた「比例代表制論者」と批判されることさえあるのだが、どうせならば正確に批判されたいものだ。 私が推している選挙制度は小選挙区比例代表並立制、つまり衆議院議員選挙の現行制度であって、簡単に言うなら…

教師はどこまでしなければならないのか

「死にたくない」叫ぶ生徒 浜名湖転覆、安否確認で混乱 - asahi.com 浜松市の浜名湖で訓練中だった愛知県豊橋市立章南中学校の手こぎボートが転覆して1年の西野花菜さん(12)が死亡した事故で、ひっくり返った真っ暗なボートの中で生徒が叫ぶなか、湖に…

張本勲さんと江川紹子さん

http://plaza.rakuten.co.jp/tigers31/diary/201006180000/ これについて言えば別に張本さんがそう無体なことを言っているとは思えない。 「あいつを出すならば俺は出ない」 のどこに問題があるのだろうか。芸能人は「嫌な奴と共演しなければならない義務」…