2009-01-01から1年間の記事一覧

正岡りつ

録画しておいた「坂の上の雲・第一部」を見終わった。まあ、こんなところか、と思う。随分冷淡であるようだが、原作が優れているのだから素直に映像化していけば、おのずと傑作になろう。そこからすれば、合格点でもあり、さりとて、というところだろう。 子…

悲愴

民主党の支持率が下がっても自民党への支持率が上がらない。鳩山首相があれだけの失点を重ねても(少なくとも実母からの献金・脱税問題は首相辞任はむろんながら、議員辞職もあってしかるべき問題だろう)、世論が辞任を求めるまでには盛り上がらない。 確か…

雲、流れて

大学予備門在学中に漱石は房総へ足を伸ばし、その旅行記を漢文で書いたと言う。子規にそれを見せるや、頼まれもしないのに子規が赤字で添削したり、感想を書き込んだという話が、先日、NHKのとある番組で伝えられていた。 笑ってしまった。笑ったのは、彼我…

残念な石破さん

http://ishiba-shigeru.cocolog-nifty.com/blog/2009/12/post-3cf9.html 憲法も理解せず(一知半解も甚だしい)、天皇陛下に対する畏敬の念も持たず(私にはとても理解しがたい)、己の立場もわきまえない総理や民主党幹事長の発言は絶対に看過できません。 た…

スカートを履いたことがない

そう言えば、スカートを履いたことがないのに気づいた。 本紙窓欄には、世相を映すさまざまな声が掲載される。若い世代の率直な意見もある。目に付いたのは、5日付の「女子生徒の制服ズボンでも良い」と訴えた17歳の女子高生からの投稿だ▼要約すると「冬…

在特会の朝鮮学校攻撃について思うこと

朝鮮学校擁護側の論理にもいささか詭弁めいたものを感じる。そういう面を在特会のような人たちに「あげあしをとられる」のだろう。 批判は正面から受け止めた上で更に批判した方が良いように思う。 公園を恒常的に運動場として学校が使用することは、公園の…

尊皇感情について

私のように皇室や王室、貴族の称号について多くを書いていると、当然のように尊皇家だと思う人が多く、実際、わりあい範囲が狭い「王室関係ブロガー」業界の人たちの多くは尊皇家であり、それがその業界から私が弾き飛ばされた理由である。 私は歴史的なトリ…

小沢幹事長を思う

ここ最近の彼の動きやその批判のされ方を見ていて、既視感に襲われている。 1980年から90年代初期の「小沢幹事長の時代」、今からかれこれもう20年も前になるが、あの頃の彼の傲岸不遜ぶりと言ったら無かった。 政治家の二世三世と言ったらだいたい傲岸不遜…

象徴天皇制の危機

習近平特例天皇会見問題(適当な言い方はないものか)は思いのほかおおごとになってきた。 たぶん誰もここまでおおごとにするつもりはなく、言い合いを重ねているうちに、危険な深みにはまりつつある。天皇陛下が美智子さまと共に営々と築いてこられた象徴天…

統帥権干犯問題化する天皇の公的行為問題

玄倉川さんが憤っておられる。 自縄自「爆」の鳩山政権 - 玄倉川の岸辺 問題探知能力の無さはいかにも鳩山首相らしいし、問題を不必要に拡大してゆくのはいかにも原理主義者・小沢一郎らしい。 政局的な論として言えば、私は玄倉川さんのご意見に同意である…

我が心の四国

「坂の上の雲」を見ていて思い出したのだが、そう言えば伊予松山には行ったことがあった。確か小4かそれくらいの時、家族旅行で行ったのだが、なにぶん子供の頃だから、「坊っちゃん列車」とか見てもちっとも心躍らなかったし、温泉に心引かれる年齢でもなか…

羽毛田宮内庁長官の進退について

【小沢会見詳報】(14日夕)「30日ルールって誰がつくったの?知らないんだろ、君は」 - MSN産経ニュース リンク先のインタビューで小沢一郎氏が言っているのはすべて筋が通っている。 30日ルールにしても、その間、天皇の日程が何も無いというならばと…

坂の上の雲

録画していたNHKスペシャルドラマ「坂の上の雲」を第三回分まで先日視聴した。 いろいろと、カネがかかっているなあという出来であり、今年の大河ドラマの並外れたチープさ具合も、このドラマのせいだったのかも知れないと思った。 明治の若者たちの向上心に…

天皇は誰のもの?

通常、報道で政府筋と言えば内閣官房長官を指すが、政府は誰かと言えば究極的には行政府の長である首相になる。 中国の習・国家副主席の天皇会見問題で、鳩山首相の意思ははっきりとしているのだから、少なくとも政府の分裂の問題はない。 これについて問題…

天皇の政治利用について

従来ルールをごり押しして、習近平・中国国家副主席と天皇陛下との面談を政府がセッティングしたことについて各方面から批判が相次いでいるが、毎度毎度で申し訳ないのだけども、その代表的な意見として、雪斎氏の論を取り上げ、反駁したいと思う。 http://s…

男はケモノではありません(3)

http://d.hatena.ne.jp/apesnotmonkeys/20091205/p2 何というか、阿呆らしいの一言に尽きる。 批判されているのは、「仮に公益性があったとしても、外在制約が認められるべきではない」ということなのに、「公益性があるから却下」と言っているに過ぎないか…

Lady Thatcher

JB Press のこの記事、 サッチャー革命は無駄だったのか? を読んでいて、本論と関係の無い部分が気になった。 サッチャー夫人(現在はレディーの称号を持つ)は、高インフレ、成長停滞、好戦的な労働組合を特徴とする国家の衰退を反転させる決意を持って首…

男はケモノではありません

http://d.hatena.ne.jp/hokusyu/20091203/p1 http://d.hatena.ne.jp/hokusyu/20091204/p1 id:hokusyu氏の記事は、男はケモノである、ということを言い訳にして、レイプ正当化(正当化とは言えないまでも因果関係的に止むを得ないものと捉えること)、あるい…

男はケモノではありません(2)

http://d.hatena.ne.jp/iteau/20091205/p1 http://b.hatena.ne.jp/entry/d.hatena.ne.jp/iteau/20091205/p1 さて、どういう形で、話を続けたものか、オーソドックスにブックマークコメントにレスポンスすることにする。 誤解無きよう言っておけば、私は先のi…

火星年代記

SF作家レイ・ブラッドベリ氏、「人類は火星人にならなければならない」 好みで言えば、SF三大大御所のうち、一番好きなのはハインラインで、一番啓発されるのがアシモフだ。ブラッドベリは正直言って評価は落ちる。細かく論じればとてつもなく長い文章が必要…

学習院離れ?

悠仁親王殿下が来年4月より、お茶の水女子大付属幼稚園に入園されるそうだ。 http://www.asahi.com/national/update/1203/TKY200912020471.html 月日がたつのは早いなと感じるとともに、なぜ学習院ではないのかと驚きを感じた。 秋篠宮家では先だって、眞子…

皇族の数

秋篠宮殿下が、先日の御誕生日記者会見で、「皇族の数が少ないと言うのも、国費削減の観点から見れば悪いことばかりではない」とのご見解をお示しになられた。そうは言っても、端境期ということもあろうが、絶対数自体の減少はある。 現在の皇室の人数は、天…

ジャコバイトの王

王位の正統性は何によって担保されるかという問題だが、歴史によって、としか言いようが無い。 イングランド/英国の例を見ると、幾つかの「継承争い」があり、その闘争の中で継承方法が次第次第に形作られてきた。現在の継承法は、ウィリアム3世が勅令で定め…

指導として殴るということ

これだけコンプライアンスが言われている中で、未だに物理的な暴力が幅を利かせている業界があって、芸能界やスポーツ界、職人と呼ばれる人たちの業界はそうだろう。 先日、NHKスペシャルで「ONの時代」と称して、長嶋と王を取り上げていたが、長嶋の第一期…

事業仕分けについて

それぞれの立場でそれぞれの意見はあるだろうが、もちろん個別に見ていけば、不適当なことや横暴なことは多々あるかと思う。しかしブルドーザーが通る時、雑草が踏み潰されるのは止むを得ないことであり、兵は拙速を尊ぶというのはこういうことだろうと思う…

Princess とは何か

日本ではプリンスと言えば、王室の出生による男子を指すと思っている人も多いと思う。それは間違いではないけれども、王室の出生による男子ではない、君主/諸侯としてのプリンスもいて、ウェールズ公の「公」はデュークではなくプリンスである。 ウェールズ…

オバマのお辞儀のこと

既に旧聞に属すが、オバマ大統領が来日時に両陛下にふかぶかとお辞儀をしたのが物議を醸したらしい。 単に日本人の習慣に配慮した結果だろうが、お辞儀の光景に慣れていない人から見れば、あれは相当屈辱的な姿に見えるようで、私はオバマを非難するアメリカ…

君主の退位について

退位後の君主の呼称について、今日の典範で規定がないのは、君主の退位を想定していないからである。 君主が退位することは、深刻な継承問題をもたらす可能性がある。我が国では、歴史的には、必ずしも直系継承を優先してこなかった。 直系継承、長幼順継承…

政治における人材登用

政治の人材とは何かを計るのは難しい。先進各国の例を見ても、英米の間でもかなりの相違があるし、それが成功しているのか否かを判断するのは相当に困難だ。 古典や語学に通暁していたからと言って、それがそのまま政治的人材であることを保証するかというと…

英国における皇太子、皇太后

英国でも日本でもそうだが、そもそも皇太子とは何かと言えば、それは「次代において君主となる人」のことである。現君主よりも先に逝去しない限り、次代において君主となることが確定している人、それが皇太子なのだ。 明仁親王が産まれるまで、秩父宮殿下は…