2009-11-01から1ヶ月間の記事一覧

ジャコバイトの王

王位の正統性は何によって担保されるかという問題だが、歴史によって、としか言いようが無い。 イングランド/英国の例を見ると、幾つかの「継承争い」があり、その闘争の中で継承方法が次第次第に形作られてきた。現在の継承法は、ウィリアム3世が勅令で定め…

指導として殴るということ

これだけコンプライアンスが言われている中で、未だに物理的な暴力が幅を利かせている業界があって、芸能界やスポーツ界、職人と呼ばれる人たちの業界はそうだろう。 先日、NHKスペシャルで「ONの時代」と称して、長嶋と王を取り上げていたが、長嶋の第一期…

事業仕分けについて

それぞれの立場でそれぞれの意見はあるだろうが、もちろん個別に見ていけば、不適当なことや横暴なことは多々あるかと思う。しかしブルドーザーが通る時、雑草が踏み潰されるのは止むを得ないことであり、兵は拙速を尊ぶというのはこういうことだろうと思う…

Princess とは何か

日本ではプリンスと言えば、王室の出生による男子を指すと思っている人も多いと思う。それは間違いではないけれども、王室の出生による男子ではない、君主/諸侯としてのプリンスもいて、ウェールズ公の「公」はデュークではなくプリンスである。 ウェールズ…

オバマのお辞儀のこと

既に旧聞に属すが、オバマ大統領が来日時に両陛下にふかぶかとお辞儀をしたのが物議を醸したらしい。 単に日本人の習慣に配慮した結果だろうが、お辞儀の光景に慣れていない人から見れば、あれは相当屈辱的な姿に見えるようで、私はオバマを非難するアメリカ…

君主の退位について

退位後の君主の呼称について、今日の典範で規定がないのは、君主の退位を想定していないからである。 君主が退位することは、深刻な継承問題をもたらす可能性がある。我が国では、歴史的には、必ずしも直系継承を優先してこなかった。 直系継承、長幼順継承…

政治における人材登用

政治の人材とは何かを計るのは難しい。先進各国の例を見ても、英米の間でもかなりの相違があるし、それが成功しているのか否かを判断するのは相当に困難だ。 古典や語学に通暁していたからと言って、それがそのまま政治的人材であることを保証するかというと…

英国における皇太子、皇太后

英国でも日本でもそうだが、そもそも皇太子とは何かと言えば、それは「次代において君主となる人」のことである。現君主よりも先に逝去しない限り、次代において君主となることが確定している人、それが皇太子なのだ。 明仁親王が産まれるまで、秩父宮殿下は…

政治家と学歴

雪斎先生の政治と「階級社会」を読む。私は大学院を出ていないので学歴ではとうてい雪斎先生に及ばないが、学部を卒業した大学の位置づけやレベル、エリート家系に生まれたわけではないという境遇、共通点は多いがゆえにこの辺りの感覚は近いものを感じる。 …

皇太子、皇太后

よく用いられる語であるのに、語義がよく知られていない語として皇太子、皇太后がある。 もちろんこの両語の定義としては、時代による変遷はあるが、明治以後の日本においては、定義ははっきりとしている。 皇太子に関する誤解としてよくあるのが、皇太子=…

日米同盟、問われるのはアメリカの利益

日米同盟における日本側の利益ははっきりしている。平和国家として片翼飛行を続けている以上、米軍に防衛依存せざるを得ないからだ。対してアメリカ側の利益はややもすると抽象的だ。 そもそも同盟とは、仮想敵に対して、共同して行動にあたることを基本とす…

ガーター勲章について

ガーター勲章は1348年に始まったガーター騎士団の団員に授与されるイングランドの最上位勲章である。同様の勲章にスコットランドのシッスル(あざみ)勲章があるが、シッスルがスコットランド人か、スコットランドに非常に縁が深い人物のみに与えられるのに…

外国人参政権は固有の権利ではない

少なくとも司法判断上はそうなる。個々の人が「そう思う」と言う限りは、個人の意見だが、「こうなっている」ということと「こう思う」ということを混同するのは、虚偽である。 既にこれについては司法判断が出ているのだから、外国人参政権に賛成するのであ…

外国人参政権に反対する理由

判例と同様、私見においても外国人参政権については私も許容説に立っている。 ・ここで言う参政権は地方参政権のことである ・参政権は広義の参政権、つまり被参政権も含まれる つまり、外国人参政権を認めるも認めないも法律次第であるという考えである。そ…

リアリズムを見失っているのは誰か

本題の前に「キリスト教は独善的」と小沢氏、仏教は称賛の記事で書かれている小沢発言について簡単に評す。仏教にも様々な問題はあったが、中心が欠けているため、啓典宗教に較べれば歴史的に比較的「寛容」だったのは傾向的事実と言っていいだろう。小沢氏…

皇統の存続のために今やっておくべきこと

皇室典範改正の各試案の長所・短所を比較してみる。 > 長所 ・なにもしなくていい ・誰も責任を取らなくていい ・誰も矢面に立たなくていい ・とりあえず平和 短所 ・順当に行けば悠仁親王が即位する頃には皇室には他にだれもいない ・悠仁親王妃にかかるプ…

天皇家のこれから

今上御在位二十周年に際して謹んで奉祝の念を表したい。 両陛下ともども、本邦においても稀な聖徳の歳月であったと思う。かような英邁なる両陛下はおそらく今後は望んでも得られぬだろう。世界には地位にそぐわぬ君侯も少なからずいることを思えば、明仁天皇…

被害者としてのドイツ人

http://b.hatena.ne.jp/entry/sankei.jp.msn.com/world/europe/091108/erp0911081801003-n1.htm http://b.hatena.ne.jp/entry/b.hatena.ne.jp/entry/sankei.jp.msn.com/world/europe/091108/erp0911081801003-n1.htm 上ブックマークコメントで民族ドイツ人が…

EU大統領選び、大詰め ブレア前英首相は難しく

http://www.asahi.com/international/update/1107/TKY200911070393.html 【ブリュッセル=井田香奈子】来月に発効することになった欧州連合(EU)の新しい基本条約(リスボン条約)で新設される欧州理事会常任議長(EU大統領に相当)の人選が大詰めを迎…

MJの凄さを知らないのはとても恥ずかしいこと

マイケルについてほとんど知らない俺がTHIS IS ITを見てきた はてなブックマーク > マイケルについてほとんど知らない俺がTHIS IS ITを... 80年代を知らない人間に世界がいかに甘美であったかが分かるはずがない。 そういう意味では、MJが体現していた時代精…

日米安保とデジタルの罠

雪斎先生の「自分で食えない国」の分際を読む。何とも大袈裟な話だと感じる。 民主党政権の面々のうち、誰一人として日米同盟を否定している人はいない。当面、争点になっているのは普天間への基地移設問題だけで、もちろん軍事戦略上、決して小さい問題では…

外国人参政権と世論

外国人参政権について、マスコミ各社による世論調査では、各社ごとに結果が大きくことなっているようだ。 http://www7.atwiki.jp/epolitics/pages/224.html リンク先のサイトはid:seijigakutoさんが執筆なさっておられるようなので、出所としては一応、信用…

分断は既にそこにある、床屋談義風に

http://benli.cocolog-nifty.com/la_causette/2009/10/post-8fd3.html 小倉先生のこの記事を読んでいて、なんかいろいろと溜息。 僕は子供手当てに差別性があるのは否めないと思いますね。 小倉先生は子供を持つか持たないか、選ぶのは個人の選択次第だと言…

NHKとインターネット

ラジオから白黒テレビへ、白黒テレビからカラーテレビへ、地上波から衛星放送へと放送フォーマットが変わるたびに、NHKは新たなビジネスモデルを展開し、収益の確保を図ってきた。公営放送にしては非常にビジネスマインドが強い企業である。 とは言え、NHKの…