2009-02-01から1ヶ月間の記事一覧

LBJのこと

歴史学者とは到底言えない、せいぜいが歴史愛好者と呼ばれるような人たちの悪癖のひとつに贔屓の引き倒しがある。 特に通常の俗説ではわりあいネガティヴな評価があるような人物について、好意的な見方がわずかでも可能であれば、我の他に彼の人を知る者なし…

民主主義という言い訳

いろいろなニュースを読んでいて、複雑に対立した感情を覚える。 左翼の人たちは嫌いだろうが、山本七平の著作を読んでいて、後醍醐天皇の評価を考える。 今日的な視点で評価をすれば、後醍醐天皇のどこをどう扱えば評価できるのか皆目わからない。 彼は徹頭…

源氏考

私が芥川の「地獄変」を読んだのはわりあい年齢を重ねた頃で、大学を出るか出ないかの頃だった。 ここに出てくる堀川の大殿とは、藤原兼通のことを言うともいい、道長をモデルにしているとも言う。 大殿の栄華の描写、その評価が大鏡に出てくる道長に近似し…

村上春樹のこと、エルサレム賞のこと

村上春樹がエルサレム賞を受賞したこと(そして当人が受諾したこと)がどうこう言われているようだ。 (仮に)批判派と(仮に)擁護派、双方の意見を読んで、それぞれにもっともだなと思った私は、これという主張もない。 ただそれがまったく語るべきことが…