英国議会政治に学ぶ必要はないか?

大枠としては確かに下手に学ばれたら困るが。なにしろあちらは単純小選挙区制で、民意の集約機能に重点が置かれすぎていて、あんまりよろしくないと思う。私は小選挙区比例代表並立制維持派で、もう少し比例区の割合を増やしてもいいんじゃないかと思っているので、岡田克也さんあたりとは考えが違う。
5月の英国総選挙について5人の英国人に聞いてみたところ、キャメロン支持ばかりだった。労働党政権ももう13年、前の保守党政権が通算で18年だったからそれよりは短いが、英国憲政史上、労働党としては最長期間政権を維持していることになる。
そろそろ政権交代させようかという機運も強まっているということだろう。
メージャーが首相を退任した後、保守党党首に就任したのがヘイグ。当時36歳。若い。しかし結局、選挙で勝てずに退任、その後、ダンカン・スミス、ハワードと比較的重鎮級の党首が続いた。
キャメロンが党首に就任した時は、38歳、現在でも43歳である。
若いというか何と言うか、「異常に若い」。40代半ばの首相はあり得るかも知れないが30代の二大政党の党首は、危うさを感じる。
当然、政治的経験はおろか、社会経験さえ豊富とは言えない年齢で、政治で世代交代を追及しすぎるのも良し悪しだなと思う。ほとんど純粋培養の「政治オタク」ではないか。
しかしそれだけ柔軟な政界文化があるということであって、この点は程度はともかくとして英国に学ぶべきではないかと思う。


つねづね言っていることだが、この柔軟性を移入するために何をすればいいのかということである。80年代に自民党幹事長だった人が幹事長を今もってしているくらいだから、民主党もこの面で柔軟性があるとは言い切れないのだから、自民党民主党に差をつけられるポイントがあるとすればここだろう。
要は世襲を禁止してしまえばいいのである。
首都圏で世襲が絶対強いと言えるのは木更津の浜田家、横須賀の小泉家、湘南の河野家くらいなのだから、何もこの三家に義理立てしてみすみす首都圏で「一番いいタマ」の選択可能性をつぶす必要はない。河野太郎氏も、あれこれ言うのはいいにしても、次の選挙は東京から出るくらいの決断を示したらどうか。
身を切ってこそ、浮かぶ瀬もあれ、である。