中国人の気持ち

Meine Sache さんから。
http://meinesache.seesaa.net/article/92073471.html
http://meinesache.seesaa.net/article/92335886.html
細かい部分でここで示された中国人の主張に、事実誤認があるのだが、全体としては中国人がリアルに感じる、チベット問題における国際秩序での「正義感覚」が提示されていると思う。
その意味ではこの問題についての中国人の主張としては、比較して質が高いものだ。
前者の、You Tube でのオピニオンビデオでの主張などは、いわゆる一般の保守的な立場としては、同様のマインドはいずれの国でも見られるものだろう。
自分の国の過失は、いずれの国でもやっているだろうと「普遍化」し、議会を作ってやった、鉄道を作ってやったと恩恵を強調する。
日本人でも珍しくないし、アメリカ人でも珍しくない。イギリスの大衆紙なんかと比べたらむしろ善意の塊のような主張だ。
ここで中国人が感じる欧米の独善に実体がないとは言えない。なにしろ私は有色人種の日本人なので、しかも最近、捕鯨に関してオーストラリア人やアメリカ人とやりあっているので、気持ちとしては分かる部分は多々ある。
日中の両国民の間には、特にインターネットの世界においては、根深い対立関係があるので敵の敵は味方とばかりに、一方が叩かれていればすぐそれに加担する傾向があると思うが、いい加減そういうのはやめたほうがいいと思う。
チベットの問題は大事だし、中国人の見解を支持するつもりはまったくないが、彼らが批判を受けている中に人種的偏見がないとは言えず、そのような部分については私たちも、中国人と共に戦うことも必要なのではないか。
中国政府も過去の帝国主義の被害に拘るのであれば、欧米諸国から被った被害について、チベットはそれはそれとして、言ってもいいのではないか。イギリスやフランスから数十兆円は補償としてせしめても悪くはなかろうに、チベットの問題をバーターで刺激するのを恐れているのだろうか。
とはいえ、欧米人の独善がそこにあるとしても、民衆を虐殺したり、国境を越えようとする者を銃で狙い撃ちにしたり、拷問にかけることがあっていいはずもないので、チベット問題が無問題ということもないのだが。