国制私案

参議院を改革するとすれば、憲法からいじるしかないと先の記事で述べたが、自分の考えの整理のためにも、また自分の考えを理解して貰うためにも、議院内閣制の部分について、私案をまとめてみる。ここでは仮に二院制を維持するものとする。
[内閣について]
a.内閣総理大臣衆議院の指名に基づいて、天皇が任命する。
b.国務大臣内閣総理大臣が任免する。
c.内閣には国務大臣の兼任で副総理大臣を置き、内閣総理大臣の任意、もしくは緊急時にその職権を引き継ぐ。副総理大臣は内閣総理大臣が任免する。*1
d.内閣総理大臣が死亡した時、もしくは副総理大臣が職務を引き継いで1ヶ月以上が経過した時、内閣は総辞職する。*2
e.内閣総理大臣衆議院の解散権を持つ。副総理大臣は衆議院の解散権を持たない。*3
f.内閣総理大臣および国務大臣文民でなければならない。職業上の自衛官経験者は文民ではないものとする。*4
g.内閣官房長官外務大臣財務大臣防衛大臣法務大臣は内閣に必ず置く。これらは国会議員でなければならない。*5
[国会について]
h.国会は唯一の立法機関である。
i.国会は衆議院参議院で構成される。
j.衆議院内閣総理大臣の指名権を持つ。
k.衆議院内閣不信任決議を行うことができる。
l.予算案審議権、同議決権は衆議院のみが持つ。
m.衆議院議員の互選で議員定数の十分の一の、常設の小議会を置く。小議会は国会開会中を除き、毎週平日五日、国民の休日を除いて開催される。小議会議員は議長の許可なく欠席を許されない。それをした場合は懲罰の対象となる。特別な事情なく小議会議員は就任を拒否できない。
n.衆議院で可決され、参議院で否決もしくは審議未了となった法案は次期国会まで、小議会で審議される。小議会で審議された法案は次期国会にて衆議院で再度、採決のみがなされ、可決すれば立法化される。ただし施行は、その場合、一年後とする。*6
o.参議院議員都道府県議会が任命する議員が各一名、都道府県知事が任命する議員が各一名、都道府県民によって選出される議員が各二名の計百八十八名からなる。任期は6年で3年ごとに半数ずつ改選される。*7
p.衆議院議員の定数は五百以下四百五十以上とする。任期は4年(ただし解散があればその限りではない)、人口に比例した選挙区から選出される(比例代表制も可)。
q.条約の批准は両院での可決を必要とする。*8

*1:小渕首相が倒れた際の問題があったので、そうした事態を想定して

*2:副総理大臣はあくまで緊急時の一時的な存在である

*3:緊急対応時に解散をされては混乱するだけなので

*4:自衛官を事実上軍人として扱うならば必要な条文である

*5:統治機構の中核は国会議員が掌握するということである。また、それによって内閣総理大臣の独裁を防ぐ意味もある

*6:衆議院の優越を明確にしつつ、参議院にチェック機能をもたせた。参議院の否決は施行を一年遅らせるだけだが、次期衆議院議員選挙までの期間が施行から見て短縮されるので最終的なチェックは選挙を通して国民がなせばいい。法律に仮に問題があったとして、国民の選挙によるチェックまで施行期間を短くし悪影響があるとすればそれを最小限にとどめることができる

*7:参議院は地方の意見を集約する議院とし、人口比例にせず国土全体の均衡的な民意を集めるものとする

*8:条約は法律よりも効力を持つのでより硬度を持たせた