定額給付金のこと

受け取るか、受け取らないか、これについて麻生首相の発言が二転三転していると指摘されているが、定額給付金の目的が途中で変わっているので、私は発言が変わるのは当たり前のことだと思う。
つまり当初は低所得層への直接的な所得再分配目的であったのだから、富裕層が受け取らないのは当たり前であり、そうではなく景気刺激目的ならば受け取ったうえで使うのが当たり前である。
批判されるとすれば、これほど多大な労力をかける作業が、きわめていきあたりばったりに企画され実行されようとしていることである。
正直、1万2000円程度ならば、私は手続きの方が面倒に感じる。
それが手に入ったからと言って、さあ、何かに使おうと意気込みはしないだろう。
党内基盤も脆弱で、緊急的なリリーフピッチャーとして登板した麻生首相に多くを求めるのは酷だとしても、消費マインドの冷え込みは心理的な要因も大きいのだから、その原因を取り除く、何かしらプラス政策を行うのではなく、マイナス要因を取り除くのが根本的な対策になるだろう。
定額給付金に反対している人たちはそういうことを言っているのではないか。
たとえば、高校教育の学費の無料化とか、多くは老後と教育費に備えて節約しているのだから、直接そこを補助するなり、目に見えて負担を軽減化しない限り、あんまり意味はないのである。
もちろんそれをするのはかなり大掛かりな政策変更になるだろうし、使い捨て首相にできるようなことではない。
しかしそれをしない限り、財政出動をしたところであまり意味はないのだ。