西欧の罪

http://www.cnn.co.jp/business/CNN200903020015.html

2月25日にパリで開かれたオークションで中国・清朝時代のブロンズ像1対を落札したのは、海外に流出した中国の文化財の回収に従事している基金の関係者であることが、2日分かった。落札者は代金支払いを拒否している。中国国営新華社が伝えた。

ブロンズ像はネズミとウサギの頭部を模しており、19世紀に北京郊外の離宮円明園」から略奪された。昨年死去した著名ファッションデザイナー、イブ・サンローラン氏が個人的に所蔵していた。

競売会社クリスティーズは中国政府の抗議を無視してブロンズ像をオークションに出品し、中国系の人々の愛国的気運が高まった。落札価格は3149万ユーロ(約39億円)。

中華搶救流出海外文物専項基金は3月2日、北京市内で記者会見を開き、落札者が同基金の収蔵顧問を務める蔡銘超氏であることを公表した。電話入札でブロンズ像を落札した蔡氏は「わたしは代金を払わない。当時のあのような状況下では、全ての中国人が立ち上がっただろう。わたしは入札機会を得たことを名誉に思う。わたしは中国人全員の代理で入札した」と主張した。

私はこれについては中国人の言い分に理があると思う。
帝国主義の結果から生じたもろもろをいったん、停止して、それはそれ、これはこれで対応しようとするのは単なる西欧諸国の身勝手に過ぎない。
イブ・サンローラン氏のパートナー氏が、中国のチベット政策を批判していたが、それこそそれとこれとはまったく次元が異なる話であって、盗品は結局のところ盗品である。
もっとも、イブ・サンローラン氏が盗んだわけでもないので、責任を問われるべきなのは盗品を合法的に流通させていたフランス政府、そもそも盗んだのはフランス軍なのだから、フランス政府が代価を支払ったうえで、中国に返却すべきものであろう。
帝国主義の結果の恩恵を受けながら、帝国主義の責任を問われないということはない。
今まで問われなかったのは単に、被害者側が脆弱だったからに過ぎず、西欧諸国はこれから歴史の負債を支払うべきである。