幸福の科学

あれはもう19年も前のことになるのか。1990年の衆議院選挙にオウム真理教が政党をこしらえて出馬したが、全員が落選した。
珍妙な、麻原彰晃の面をかぶって、「ショーコーショーコーショコショコショーコー」とBGMを流す選挙活動を覚えている人も多いだろう。
まさか本気で当選するつもりだとは私には思えなかった。しかし、その「まさか」だった。この選挙に惨敗したことによって、合法的政権獲得を断念したオウム真理教は、テロ活動へ傾倒してゆくのである。


今回の総選挙における幸福の科学も、冗談としての処理のされ方、一方で当人たちの本気など、1990年の総選挙におけるオウム真理教をどこか思わせる。
幸福の科学に対する私の認識は、オウム真理教と比較すれば「良い意味で世俗的」というものだが(宗教的な教義としては杜撰ということでもある)、当人たちの自己評価は分からない。
彼らとしては耐え難いであろう、社会からの返答が寄せられた時、どのように行動するか、跳躍がそこで発生しないとは言い切れない。
その意味では、大川隆法氏ひとりくらいは当選した方がいいのかも知れない。