青春のいじわる

ネトウヨ大憤死の巻
リンク先のような話はどこの家庭でも、いつの時代でも多かれ少なかれあった。私の例と較べればこの少年は随分ましというか上等だと思う。
あれは中学生の頃、五島勉ノストラダムスの大予言を読んで衝撃を受けた私は、母に「母さん、母さん、大変だ!地球が滅びるんだって!」と訴えたところ、「あ、そう、それは大変ね」と余りの反応の無さに憤った。
帰宅した父に、「やっぱり女は分かってないよな!地球が滅びるってのに!」と同意を求めたら、父は可哀想な子を見るような目で僕を眺めて、「まあ、あれだ。立派な大人になって、地球を救えるよう頑張りなさい」と言われた。
頑張れてるかなあ、俺。いつか地球を救えるかなあ。
それから較べれば、リンク先の記事の少年はさすがは高校生だなあと思う。
リンク先の話がいかにも今風なのは保革が逆転している点だ。70年代であれば社会党支持の少年に対して、親は自民党を支持していて、その保守ぶりに少年が憤るなんて例は履いて捨てるほどあった。
2009年の今では「まともな常識的な大人」は民主党を支持するのだ。
そう考えると、自民党が何を失ったのかがはっきりとしてくる。


安倍元首相が麻生太郎氏の後継総裁について、リベラル派では民主党と差別化できないと主張しているという。一理はある。
しかし現在の民主党の位置は、かつての自民党と同じ場所にある。
今回の総選挙の結果について、民主党をどちらかというと貶める文脈で、「民主党が勝ったのではなく自民党が負けたのだ」と言う向きも多い。基本的にはその通りだと思う。
しかしかつての自民党も、「しょうがないから自民党」で支持をしている人が大半だった。社会党共産党には任せられないから自民党、だったのである。
田嶋陽子氏が社民党を離党する際、「女性問題を私はやるつもりだったし、出来るつもりだったけれど、社民党憲法憲法ばかりだった」とコメントした。
要は実社会における切った張ったの話ではない、どこか高踏的な話に耽溺していると非難したのである。
左翼の実務家から見てさえ社会党社民党)は余りにも左翼だった。
一般国民から見ればなおさらだったろう。
憲法の話はいいけど、まずは飯を食わせろよというB層(右派的表現を使えば情報弱者)的健全さが、自民党を支えていたのだ。
そしてその部分が今回、民主党政権を誕生させる基盤となったということは、それと差別化を図るということは自民党(安倍元首相の目指す自民党)はつまりは右翼の社民党になるということなのである。
そういう政党もあってもいいけれど、日の丸の話もいいけどまずは飯を食わせろや、と言われるのがオチである。
もちろん国民政党として復権を望むのであれば圧倒的主流層であるB層的健全さを満足させる必要がある。
安倍元首相自身やその支持を得た人が総裁につくならば民主党政権はむしろ安泰であろう。