荒川アンダーザブッリッジ、おお振り二期、龍馬伝

分けて書くのが面倒なのでまとめて感想を。


荒川アンダーザブリッジ坂本真綾さんが声優として出演されるということで、楽しみにしていたアニメだが、そう来たかと思った。坂本真綾さんは「可憐系・ピュア系」少女の声をあてる声優さんとしてデビューし、その後、声のトーンを下げて、少年や一歩引いた感じの女性の役が多くなった。
前者の代表が「ラーゼフォン」の美嶋玲香であり、後者の代表が「黒執事」のシエル・ファントムハイブだろう。いわば白真綾と黒真綾であり、荒川アンダーブリッジは白真綾で来るんじゃないかと思っていたら黒真綾だった。
もちろんキャラクター的には黒真綾の方があっているのかも知れないが、荒川アンダーブリッジで坂本さんが演じるキャラクターは、浮世離れした、天上人めいた趣があり、そうしたある種の幻想性を出すならば白真綾の方がいいんじゃないかと思った。
もちろん黒真綾であっても坂本さんの声には独特の透明感があるのだけれども。
作品の内容は、まあ、普通に面白い。


おおきく振りかぶって」は3年ぶりの第二期になる。前回は2クール放送だったが、今回は1クールということで、いくらなんでも尺が短いんじゃないかと思う。
第一期は24話使って描かれた試合が2試合だったが、今回も順当に行けば2試合になるだろう。ただし、今回の2試合は、第一期で描かれた桐青戦と違って、ゲーム内容よりは、キャラクター個々人の心理描写に重きが置かれるだろうから、半分の尺で充分なのかも知れない。
まさか崎玉戦だけ、ってことはないと思うけど。
それにしても3年はやっぱり待たせすぎだね。声優さんの声も若干、老化しているのが隠しきれていない。メインの声優さんの中で、この作品以前からメジャーだった人たちももちろんいるけれど、第一期放送後、一気にスターになった声優さんたちも幾人かいて、その間のハードワークぶりを考えれば、「声を酷使した結果」が出てしまうのはやむを得ないのだけれども、第1話では3年ぶりの出世作への出演ということで、声優さんが緊張しているのがこちらまで伝わってしまって、落ち着かなかった。


龍馬伝、陰謀と暗殺の時代へ突入。福山さんが一気に凄みを増したようで、実は上手い俳優さんなのではないかと一瞬思ってしまった。
どうしても暗くなる世相の中で、実は香川照之さんが演じる岩崎弥太郎が「息抜き要員」であるというのが大きい。もちろん大真面目にたちまわっている岩崎弥太郎なのだが、香川さんの演技にはコミカルさというのではなく、自然な愛嬌があって、大真面目に右往左往している中学二年生男子を見るような微笑ましさがある。初恋での失恋を世界の終わりかのように思ってしまう大真面目な大仰さが。
演技的な意味での愛嬌を龍馬が薄めてゆく中で、ひたすら陰惨さを強めてゆく幕末世相にあって、岩崎弥太郎の分かりやすさは救いだろう。