田中康夫を支持した左翼は猛省するように

私が嫌いな政治家は数多いが、人格を含めて、唾棄しているのが2名、森・元首相と田中康夫・元長野県知事である。
森さんはそれでも、首相としては功績がまったくなかったわけでもないし、竹下さんや金丸さんといった過去のキングメイカーに較べればずいぶん見劣りするにはしても、ある種のアンカーとしての役目を今も果たしている。
徹頭徹尾、救いようが無いと思うのが田中康夫である。常識の礼儀で言えば「氏」をつけるべきだろうが、いまさらそうした礼儀をするのもかえって偽善になるほどに、私は彼を嫌っている。
彼を初めてテレビで見た瞬間から嫌いだった。ただ、一時は嫌いでも、その人の様々な面を知るにつれ、嫌い続けるのは案外難しい。
実生活を含めて、田中康夫ほど嫌悪を感じさせ、その感情を持続させた例は他には無い。
嫌悪は別種の愛情にも似ている。それほどの嫌悪の正体を知りたいと思い、それがためにかえって私は田中康夫を忘却の海に沈められないのだった。
皮肉をきかせたつもりの文章も性根が粘着質で偏っているために、都会的な洗練には程遠い。かといって論理構成はずさんなので、せいぜいが厚塗りした文学的装飾を散りばめて糊塗するだけである。
無残、というしかない「文学者」である田中康夫であったが、彼の言動やコラムを支持する人が多いのも不思議であった。
http://blogs.yahoo.co.jp/isikeriasobi/56014650.html
国籍法をめぐって、田中康夫が支離滅裂な言い分を例によって空疎な文学的表現で糊塗しているが、この人のこうしたやり口は今に始まったことではないのだ。
批判されるべきは、まずはその論理の破綻と空疎さであり、たまたまベクトルが同じ方向を向いていれば喝采し、そうでなければ叩くというのでは、余りにも筋が通らない。
通らないが、左翼にもそうした程度の低い人がゴマンといるのもまた事実である。
田中康夫は私が評するならば、もとより自己愛の強い人であり、批判精神が欠けている人であり、思い込みの激しい人である。
一言で言うならば認知が歪んでいる人である。
その歪みが左翼寄りに出る人もいれば右翼寄りに出る人もいるのだろう。いずれにせよ、歪んでいるのは同じことだ。
田中康夫をかつて支持した人は猛省していただきたいと思う次第である。

http://d.hatena.ne.jp/Prodigal_Son/20081205/1228460832