結婚の条件

http://anond.hatelabo.jp/20080816045217
↑話題になっている、彼女の親に会ったら年収のことで馬鹿にされたよ、という話。
こうした話の時に不思議なのは、娘の年収はいくらなのかが話題にならないことだ。
世帯収入が260万円ではなかなか生活も厳しいだろうが、妻が500万円も稼いでいれば全然、無問題なわけである。実際、パートで年収100万円以下の主婦なんてごろごろいるわけだし。
男が養って当然という意識はどこから来るのだろうか。
私に娘がいたならば、男に頼らずに生きていけることを主眼において育てる。
息子であっても同じことだが、愛されて生きるのではなく、愛されなくても生きていけるように育てる。愛情を担保として生活を送るのは、地方の観光業と同じで風次第だ。
そんな不安定なものに、人生を賭けさせるわけにはいかない。
人の考えはそれぞれだが、私の考えでは、結婚に際して相手の年収を判断基準にしなければならないのは、子育ての失敗というしかなく、実際、仮に世帯収入が最低500万円は必要だとすれば、この娘は同じく200万円程度しか稼いでいないとすれば、どれほど愛しあっていようと、結婚という選択はできないのだ。
自分で500万円も稼いでいるならば、じゃあ、夫が家事を多めにして、子育てもして、と分担することができる。
多数の男が稼がない妻を養っているのと同じく、稼がない夫を養えばいいだけのことである。


私の姉は地方のいわゆるお嬢様系の短大を出て、生きていくうえでの実際的な手段はほとんど持たないまま、社会に出た。せめて四年制をというのが、両親の意見だったが、そうすることが彼女自身の望みだった。
旧帝大に在籍している男と既に交際しており、男が卒業し、大企業に就職後に結婚して専業主婦になった。
物語としてはめでたしめでたしだが、人生はその後も続く。
男は身を崩して、離婚し、姉は今はめでたくワーキングプアである。実家の援助なしにはとてもではないが、子育てもままならぬだろう。
条件のいい男と結婚したとしても、自分自身に生活能力がないならば、危険を遠ざけることは出来ないのだ。


年収260万円はべつだん誇るべきことではないが、よくあることである。
その程度しか稼いでいない男は少なからずいるが、女はもっといる。
カネはあるには越したことはないが、男だけが稼ぎを問われるということはない。
年収260万円であっても、相手が何を提供できるのかを問うてもいい。