逆差別とか

http://www.afpbb.com/article/life-culture/life/2637610/4531450

9月4日 AFP】南アフリカの白人男性が、黒人から迫害を受けたと主張してカナダの移民政策当局に行った難民申請が2日承認され、両国で議論を巻き起こしている。南アフリカ政府は決定の見直しを要請。これを受けてカナダ移民省は3日、決定を連邦裁判所に諮ることを決めた。

 男性は、ケープタウン(Cape Town)生まれのブランドン・ハントリー(Brandon Huntley)さん(31)。南アフリカで黒人から7回襲撃された経験を持ち、うち3回はナイフで刺された。いずれも金品を奪う目的での犯行だったが、犯人たちはハントリーさんに「ホワイト・ドッグ」「移住者」などの罵声を浴びせたという。

 ハントリーさんは「肌の色のせいで狙われた」とし、身の危険があるとしてカナダ当局に難民を申請した。だが、襲撃について南ア警察には一度も通報しておらず、同国政府に訴えてもいない。これについてハントリーさんは、「南ア政府と話したくはない」と述べている。

 これに対し、南ア政府与党のアフリカ民族会議(African National Congress、ANC)は、白人だから狙われたというハントリーさんの主張は「センセーショナルで驚くべき」ものだと表明。「ハントリー氏の申請を認めた際に提示された理由は、継続的に人種差別待遇を受けている被害者にのみ適用されるものだ」と述べた。また、南ア政府も、「南ア社会の現実を理解していない」として、カナダ当局に見直しを求める意向を示していた。

ドイツや英国、そして特にオーストラリアでもレイシズムを巡る暴力はあるわけだが(カナダでももちろん)、それらについてカナダ政府は被害者から申請があれば難民扱いをするのだろうか。
今後、白人支配は弱まることを避けられず、こういうことは頻発するだろう。
大航海時代以後の西欧の帝国主義がいまなお白人文明に利益を与えているのは事実である。その利益を享受しながら、「ここから先は人種平等で」と言ったところで、現にオーストラリアや南アには充分にミックスされずに侵略者の子孫が居住しているわけだし、彼らを西欧諸国が引き取るわけでもない。
仮に白人への暴力があったとしても、レジスタンスの一種だと見なすことは可能だ。
そういう位置づけにあることを、白人たちはどれだけ理解できているだろうか。
オーストラリアではこのところ、クロナラ暴動やカレーバッシングなど人種を巡るマスヒステリアが頻発しているが、普通、人種暴動と言えば被差別側が起こすものと相場が決まっていたが、オーストラリアでは逆である。レイシズムのための暴動が発生している。
これはもちろん移民国家に付き物の「ホームを守る」という意識が背景にあるが、そのホーム意識が侵略と虐殺によって形成された国家のものだというところに問題点がある。
過去の歴史を乗り越えるためには普遍的な国民国家、人種主義を超越した国家になり、そのために特に侵略側である白人が努力する必要があるが、オーストラリアで見られる「ホーム意識」はそれとは正反対のもので、こうしたものが南アフリカでもあるのだとすれば、カナダ政府の対応はまったく不当なものだと思う。