保守王国、革新の地盤

Yahoo! みんなの政治・衆議院選挙2009

民主党の圧勝となった2009年総選挙だが、西日本では自民党が善戦している地域も多く、小選挙区では、福井、鳥取、島根、高知で議席を独占している。
中国四国・九州での自民党の健闘が目立っている。中部地方のうち、甲信越(山梨・長野・新潟)を東日本に含めるとして、東日本では、自民党の獲得議席小選挙区過半数に達している都道府県は青森(4議席中3議席)のみであるのに対して、西日本では、富山、福井、鳥取、島根、岡山(保守系無所属の平沼氏を含む)、山口、愛媛、高知、熊本、宮崎、鹿児島を数える。
明らかに地方ごとに、有意の結果が生じている。
人口的にほぼ同規模ながら、全国傾向に近い結果を出している近畿地方兵庫県と、より保守色の強い九州に位置する福岡県を比較すると、兵庫県が12議席中11議席、民・社・国(うち1議席日本新党)系が獲っているのに対して、福岡県では11議席中7議席しか民・社・国系が獲っていない。
もちろん福岡県でも民主は優位にあるわけだが、全国傾向と比較すれば弱い。政令都市をふたつ抱える福岡県「でさえ」と言うべきで、より第一次産業色の強い県では保守系が優位になっている。
こうした現象は、特に最近のもので、東日本がリベラル色を強めているのに対し、西日本が比較的その度合いが小さいため、日本におけるブルーステートとレッドステートの対立が生じているのである。
アメリカにおける共和党州と民主党州には、平均所得、学歴、州GDPで特徴的な差があるが、果たして同じことが日本でも見られるのかどうかは分からない。
比較的、保守色の強い北陸と、リベラル色が強い甲信越は隣接しているが、それほど大きな違いがあるとも思えない。
伝統的な都市(革新)と農村(保守)の対立だけでは読みきれない結果が生じている。


<<追記>>

一見で分かるように画像で作ってみた。北陸信越では、民主党が優勢に見えるが、「北陸」と「信越」で保革の優劣がはっきりと分かれており、北陸信越全体では民主党が優勢に見えるのは信越の人口が多いからである。
ぱっと見で分かるように、中国四国の保守ぶりは突出している。九州も保守が比較的強いが全体としては民主党優勢なのに対して、中国四国では過半を自民党が獲得している。
近畿ははっきりと民主党の地盤と言っていい状況なので、「西日本」というくくりではなく、特に中国地方の特異性に注目してゆく必要がある。