2014年総選挙感想

さんざん言われ尽されているが今回ほど面倒臭い感がただよう総選挙は無かった。選挙権を得て以来今まで、国政選挙は棄権したことが無いが(正直、市議選とかだと面倒でパスしたことはあるのだが)、すこぶる面倒だった。
民主党が結党されて以来、一回だけ比例区で他党に投票したほかはすべて民主党に投票していて、今回もそうだったのだが、民主党がここまでやばそうでなければ面倒くさくて投票に行かなかったかも知れない。
今回の総選挙の結果は、何とも言い難い、まあ不思議な結果であった。維新は微減にとどまったとは言え、旧維新とみんなの党が前回の衆院選では72議席を得ていたことからすれば、そして次世代の党と旧みんなの党系無所属議員が壊滅的に減少したことを踏まえれば、橋下共同代表の言う通り、敗北と捉えていいように思う。
今回の選挙で割を食ったのが、リバタリアン系第三極であって、しかしながら次世代の党系の極右勢力とたもとをわかったことで、維新の核心部分は温存されたと見るべきだろう。そういう見方では、橋下徹の政治的嗅覚はまだ鋭いと思う。
生活の党も同じく5議席から2議席になったが、小沢一郎は既に終わっているとして、生活の党の扱いでは、民主党にとっては課題が残るものとなった。3年の民主党政権への評価が未だ厳しいのは、ごたごた続きであった鳩山・小沢体制の総括がきちんと出来ていないからであって、小沢系をきちんと排除できてこそ、民主党復権の可能性が強まることを思えば、今回、海江田執行部が生活の党と選挙協力を行ったのは短慮に過ぎるというしかない。民主党のためには残念であった。
民主党への不満を言うならば、いかに今回の解散が唐突だったとはいえ、首都圏においてさえ民主が候補を立てられない小選挙区の空白区が数多くあったのは、二大政党の一画としての責任を放棄したものと言わざるを得ないだろう。勝とうが負けようがとにかく有権者に選択肢を与える、この最低限の責任も果たせないようでは、民主党が政権を奪還することは難しい。海江田執行部のお粗末ぶりはめもあてられないほどで、海江田万里が落選したことは当然だと思う。
海外の報道を見ていると、今回の選挙結果については両極端の解釈がなされているようだ。
自民党右派の安倍内閣が、まずまず信任されたことによって、右傾化の傾向に変化はなしと捉えている向きもあれば、次世代の党などの極右勢力が壊滅した、まったく信任を得られなかった、更には極左共産党が躍進したことから、左への揺り戻しがあったと捉えている向きもある。
どちらの解釈も可能な結果ではあるのだが、民主党が政権を獲得した前々回の総選挙の結果も踏まえて言うならば幾つかのことはほぼ確定的な事実として言えるかと思う。
第一に、日本はさほど右傾化していない。
第二に、ネットでの右派支持は実勢をまったく反映していない。
第三に、今世紀に入ってから有権者は一貫して変革を支持しているのであって、右派左派のイデオロギー対立にはまったく関心が無い。

以上のようなことを踏まえたうえで、民主党支持者として今後いかに民主党を再建していくべきと考えるかについては、二段階の再建過程を経るべきと考える。
今回、民主党は62議席から73議席議席を増やしたが、二大政党の一画としてはとうてい、満足できる結果ではなく、野党としてさえ再建の途上になおある。野党第一党としても最低限、120議席程度は標準的に維持しておくべきで、まずはこのラインまでの復権を目指すべきだろう。
この段階における基本的なスタンスは、確かな野党としての立場を強めることである。
グローバリズム、歴史改竄主義勢力とのはっきりとした決別であって、反ヘイトクライムの立場を強めて貰いたい。野党共闘を目指してか、次世代の党をきっちりと批判してこなかったのは、自殺行為に等しい。
リベラリズム勢力として再出発をして欲しい。そのうえで、野党として再建されたうえで、その次の段階として民主党が弱かった安全保障政策や外交政策の強化を図るべきだろう。
私は次の党代表は、岡田克也か、いっそのこと辻元清美が望ましいと思う。
そしてその次の段階として、党内右派の蓮舫あたりが引き継ぐのが最善のシナリオではないかと思う。