岡田斗司夫告発者を美しくないと感じる理由

その前に。
岡田斗司夫と入力しようとして手間取った。こういう当て字系の一般的表記ではない名前はすごく迷惑である。辞書登録しなければいけないのか。
ここしばらく岡田斗司夫が炎上している案件については、当人に対してはまったく同情を感じない。たまたま岡田氏が「アオイホノオ」で取り上げられた直後のことでもあり、その作品が好きで小学生の頃から島本作品を愛読している私としては岡田氏のせいでケチがついたようでいい気分ではないが、そこまでは岡田氏も責任はとれないだろう。話のついででなんだが、島本先生、小学館漫画賞受賞おめでとうございました。贈られるのが遅すぎました。
この件で私が岡田氏に失望したというか、見損なったのは、あんなにセックスばっかりしていたら、オタク評論家としてきちんと作品にあたることなんて到底無理だろうという一点のみである。物理的に時間が足りないはずだ。この辺は例のナチスの小話に似ている。誠実な評論家であればインプットの時間に追われてセックス狂になんてなれるはずがないのだ。
それ以外のことは彼の私生活のことなのでどうでもいい。「合意の上で」セックスをしたなら、大人同士のこと、誰を批判するのもおかしな話だと思う。岡田氏のやり口が詐欺師めいていて、マインドコントロール的で、人格的にはどうかとは私も思う。友人にはなれないと思うし、できれば一緒に仕事もしたくない。
だが、相手の女性を一個の成人した人格として尊重するならば、それでも「それでいい」と言ったからには誰であれ自分の言動の責任は引き受けなければならない。
岡田斗司夫の元愛人のつぶやき 1-10
この告発者にさっぱり同情できないのは、その言動の責任を引き受ける覚悟がまったく感じられないからである。
ひとつひとつ、私がそれはちょっと違うんじゃないかと思った点を挙げてゆく。


1.養わなければならない祖母がいるのに、収入が不安定な、というか収入獲得手段になっていないイラストレーターという職に固執している点
彼女はこれに「いかに自分がせっぱつまっていたか、だから冷静な判断力を失っていたとしても仕方がないよね」といういいわけとして用いるために言及しているが、フリーのイラストレーターが収入が不安定なのは子供でも分かることで、イラストレーターとして地位を確立しているならばともかく、そうではないならば、その状況に対応する平均的な答えは、安定的な収入を働いて確保する、ことだろう。決して、イラストレーターという金になるかどうかも分からない道をひたすら進むことではないはずだ。その解を選ばずに「どうしようどうしよう」とせっぱつまっているだけだったのだとしたら、私が彼女はこういう人と認識する可能性は二つしかない。成人としてありえないほど致命的に頭が悪いか、責任を背負う覚悟が一切ない自己中心的な人物か、どちらかだ。私は後者だと判断した。
2.岡田氏の申し出を受けたにもかかわらず、いいわけをしている点
告発者は、編集者に紹介してくれなんて自分からは言っていない(だから枕営業をする気はなかった)と言っているが、であれば即座に岡田氏の申し出を断れたはず。やったことは枕営業をサジェストされてそれを受けたと言うことだけである。
3.結局関係はご破算になった点
ご破算に出来ないよう圧力をかけられたとかならともかく、ご破算になったのだから、そこで終わった話ではないだろうか。


岡田氏のやり口がどうだという意見はもちろん人それぞれあるだろうし、私としてもそう言うやり方はまず第一に作品の質を低下させるので、誠実さのかけらもないやり口だとは思う。
しかしこれは法的にはグレーゾーンですらない。明白にシロである。違法性があると言っている人はどういう根拠があってそう言っているのか示すべきだ。岡田氏のような人、そして得てしてインテリヤクザは、こうした法の境界について以上に詳しいし悪用しているとも言える。だが法に実際に境界が必要である以上、シロはシロなのである。そこで泣きわめく告発者の方が英単語の原義的な意味でナイーヴなのだ。社会人として落ち度が甚だしい。成人していて世間知らずなのは誰のせいでもない、ぜんぶ当人のせいである。
一方で、この告発者がやっていることは、おそらくは名誉棄損に相当する。告発者が、岡田氏が吉本興業から解雇され、大阪芸術大学での職を失職することを望んでいると明記しているように、明らかに岡田氏の社会的地位を毀損する目的でなされている。
こういう犯罪者に加担する人はよほどどうかしていると私は思う。
告発者が女性だからと言って、内容が女性のセックスにからむ話だからと言って、無条件に共感する、それを肯定するのであれば、女性にはもうまともな判断能力がないと言っているに等しいから、それで話が通るようなら女性から参政権を取り上げるべきだ。こういう女は女性にとってこそ迷惑な存在だろう。
ところで枕営業があるかないかと言われれば、私はある、と思う。ただ、それはごく一部の話だろうと思う。枕営業で人事を行使することは、作品の質を低下させて、編集者当人の食い扶持を奪うことになるからである。
この告発者もアドバイスは編集者から聞けばいいのだ。この絵柄ではちょっとと言われているならば絵柄を変えればいいのだ。売れないから採用されないのであって売れる画を描けばいいだけの話であって、それが出来ないというならただ才能がないだけ、才能がないならアドバイスなど貰ってもどうしようもあるまい。「ただ岡田氏からアドバイスが欲しかっただけ」という言い訳もひどくずれている。
努力の方向性がずれているということは才能がないということと同じだ。