漫画家側の甘え

前記事の続き。
続・雷句誠の件 - そこがミソ。-特撮感想などを思ったままに

(新條先生のブログ中で担当編集者の弁として「編集者が安い給料で」って言ってるとこがあるけど、ここの編集がいくら貰ってるのか想像つくんでウソだろーwと思いますよ?いつもとは言わないけど緊急事態くらい土日でも仕事しろよ)

他人の私生活の時間をどうして無関係の人間があれこれしろと言えるのかが理解できない。
そうしたことを漫画家が思うのであれば(新條まゆ氏はそう思ったからこそ、編集者の不当さの一例として挙げたのだろうが)、それは漫画家側の甘えに他ならないと思う。
新條氏は土日に編集者にFAXを送ろうとしたところ、「私の私生活を乱さないで」というようなことを痛罵されて、以後、かたくなに期日に余裕をもって仕上げるようにしたとのことだが、対等を言うのであればそんなことは当たり前だと思う。
出版社との契約において受注しているわけだから、納期に一定の品質の「製品」を収めるのは経済社会の常識であって、納期に遅れたからと言って相手側に不利益を与えるような行動をし、少々の不利益を被っても当たり前と思うのは、非常識だ。
新條氏もいうように、漫画家は社会人経験が少ないのだなと感じる。
漫画家と編集者の独特のもたれあいの関係の中に、漫画家側は不利益を一方的に被るような商慣習があるのであれば、その商慣習を法秩序に従って是正すべきだし、そうするのであれば漫画家側も商慣習にのっとった甘えた言動を言うべきではない。
資料集めにせよ、ストーリー構築にせよ、本来は受注側がすべて賄うべきことであって、出版社の悪しき商習慣を言うのであれば、そうしたこともきちんと契約に明示すべきことだ。
現状の商習慣を否定するのであれば、漫画家側が利益を得ていることまでそれを及ぼさなければ筋がとおらない。
雷句氏の告発や新條氏のその擁護を私は是とするが、その文中の端端に漫画家の甘えが見えるのは、第三者としては頷けるものではない。
この告発が、単に「お父さんの横暴を非難する」ような家族主義的な決着をみてはいけないのだ。
「お父さんも悪かったよ、反省するよ」
というような、家族主義的な話であってはならないのだ。