とてつもないな、麻生太郎

http://d.hatena.ne.jp/finalvent/20090824/1251118223
言ってもいない、書かれてもいない補足や注釈が多すぎて、結果的に一方的な麻生擁護になっている。
導入部分の「金がないなら結婚しないほうがいい。そういう迂闊なことはしないほうがいい。俺もそう思う」と言う部分と、fv氏の推測による「結婚は尊敬が大事」と言う結論では見解が正反対になる。
「結婚には金よりも尊敬が大事だが、金を稼がない男はそもそも尊敬されない。だから金がないなら結婚しないほうがいい」とつなげたところで、金がないなら結婚しないほうがいいと言っていることには変わりはない。
そもそも既に多くの人が指摘していることだが、質問のコンテクストはマクロの話である。
少子化の原因として晩婚化・非婚化がある
・結婚する、結婚生活を営むには金が必要である
・若年層の低所得化・貧困化が進んでいる
少子化対策として若年層の所得を向上させる必要があるのではないか
ということを内閣総理大臣に質問しているのであり、「結婚に際して金が必要」である是非を聞いているのではない。それは条件のひとつに過ぎない(だから争点にもなっていない)。


どれほど好意的に見たところで、麻生首相は他人の話を理解する能力に著しく問題があるとしか言いようがないし、中立的に見たとしても、少子化問題について問題意識があるのかどうか、甚だ疑問である。踏み込んで、意地悪に見るならば、意図的に質問をはぐらかしているとしか言いようがなく、いずれにせよ、「頭が悪い」か「根性が曲がっている」かの二者択一になるだろう。
どちらにせよ首相の任に相応しい性格ではない。


そもそも首相の示した一般的な見解でさえ、問題がないわけではない。
ここでは金を稼ぐという行為に明確に性役割が提示されているからである。また、金を稼ぐという行為は実際には程度の問題である。どれくらい稼ぐか、稼げるかが問われている時に、稼ぐ/稼がないとデジタルに処理することは、程度として若年層の低所得化が進んでいるという問題を覆い隠してしまうことになる。
こういうことは本来、ブロガーである私は首相に指摘することではない。首相が国民に説明することだ。そういう意味ではプロフェッショナルのポリティシャンとしてさえ、麻生氏はスタートラインについていない。