行く川の流れは絶えずして

国籍法反対運動でゼノフォビアが強まっているのは、移民受け入れ政策が現実味を帯びているからだろうか。
日本の将来にわたる繁栄を願うのであれば、移民受け入れは不可避である。
私はそう思う。
金融業に特化したり、縮小した規模なりに繁栄を目指す考えもあった。
そのような考えが示された時から、そんなものはファンタジーに過ぎないと私は思っていたが、世界金融危機でますますはっきりしてきた。
縮小するとは言え一億人規模の日本国民を養うためには内需を基礎に置くしかないし、そのためには裾野の広いサービス業、製造業を中心にして、比較的安価な労働力を供給するしかないのだ。
日本人はエスニシティにおいても変わらなければ滅びるだけだ。
赤の女王さながらに、留まるためには走り続けなければならないのだ。
出生率、教育水準が高く、文化的な齟齬も比較的小さなフィリピンとは国家連合を結ぶことさえ考慮しなければならないと思っているが、私のこの考えが現実の政策として捉えられるまではなお数十年を必要とするだろう。
その前に日本の没落が抜き差しならない局面に直面していなければいいが。