2009-01-01から1年間の記事一覧

政治家と学歴

雪斎先生の政治と「階級社会」を読む。私は大学院を出ていないので学歴ではとうてい雪斎先生に及ばないが、学部を卒業した大学の位置づけやレベル、エリート家系に生まれたわけではないという境遇、共通点は多いがゆえにこの辺りの感覚は近いものを感じる。 …

皇太子、皇太后

よく用いられる語であるのに、語義がよく知られていない語として皇太子、皇太后がある。 もちろんこの両語の定義としては、時代による変遷はあるが、明治以後の日本においては、定義ははっきりとしている。 皇太子に関する誤解としてよくあるのが、皇太子=…

日米同盟、問われるのはアメリカの利益

日米同盟における日本側の利益ははっきりしている。平和国家として片翼飛行を続けている以上、米軍に防衛依存せざるを得ないからだ。対してアメリカ側の利益はややもすると抽象的だ。 そもそも同盟とは、仮想敵に対して、共同して行動にあたることを基本とす…

ガーター勲章について

ガーター勲章は1348年に始まったガーター騎士団の団員に授与されるイングランドの最上位勲章である。同様の勲章にスコットランドのシッスル(あざみ)勲章があるが、シッスルがスコットランド人か、スコットランドに非常に縁が深い人物のみに与えられるのに…

外国人参政権は固有の権利ではない

少なくとも司法判断上はそうなる。個々の人が「そう思う」と言う限りは、個人の意見だが、「こうなっている」ということと「こう思う」ということを混同するのは、虚偽である。 既にこれについては司法判断が出ているのだから、外国人参政権に賛成するのであ…

外国人参政権に反対する理由

判例と同様、私見においても外国人参政権については私も許容説に立っている。 ・ここで言う参政権は地方参政権のことである ・参政権は広義の参政権、つまり被参政権も含まれる つまり、外国人参政権を認めるも認めないも法律次第であるという考えである。そ…

リアリズムを見失っているのは誰か

本題の前に「キリスト教は独善的」と小沢氏、仏教は称賛の記事で書かれている小沢発言について簡単に評す。仏教にも様々な問題はあったが、中心が欠けているため、啓典宗教に較べれば歴史的に比較的「寛容」だったのは傾向的事実と言っていいだろう。小沢氏…

皇統の存続のために今やっておくべきこと

皇室典範改正の各試案の長所・短所を比較してみる。 > 長所 ・なにもしなくていい ・誰も責任を取らなくていい ・誰も矢面に立たなくていい ・とりあえず平和 短所 ・順当に行けば悠仁親王が即位する頃には皇室には他にだれもいない ・悠仁親王妃にかかるプ…

天皇家のこれから

今上御在位二十周年に際して謹んで奉祝の念を表したい。 両陛下ともども、本邦においても稀な聖徳の歳月であったと思う。かような英邁なる両陛下はおそらく今後は望んでも得られぬだろう。世界には地位にそぐわぬ君侯も少なからずいることを思えば、明仁天皇…

被害者としてのドイツ人

http://b.hatena.ne.jp/entry/sankei.jp.msn.com/world/europe/091108/erp0911081801003-n1.htm http://b.hatena.ne.jp/entry/b.hatena.ne.jp/entry/sankei.jp.msn.com/world/europe/091108/erp0911081801003-n1.htm 上ブックマークコメントで民族ドイツ人が…

EU大統領選び、大詰め ブレア前英首相は難しく

http://www.asahi.com/international/update/1107/TKY200911070393.html 【ブリュッセル=井田香奈子】来月に発効することになった欧州連合(EU)の新しい基本条約(リスボン条約)で新設される欧州理事会常任議長(EU大統領に相当)の人選が大詰めを迎…

MJの凄さを知らないのはとても恥ずかしいこと

マイケルについてほとんど知らない俺がTHIS IS ITを見てきた はてなブックマーク > マイケルについてほとんど知らない俺がTHIS IS ITを... 80年代を知らない人間に世界がいかに甘美であったかが分かるはずがない。 そういう意味では、MJが体現していた時代精…

日米安保とデジタルの罠

雪斎先生の「自分で食えない国」の分際を読む。何とも大袈裟な話だと感じる。 民主党政権の面々のうち、誰一人として日米同盟を否定している人はいない。当面、争点になっているのは普天間への基地移設問題だけで、もちろん軍事戦略上、決して小さい問題では…

外国人参政権と世論

外国人参政権について、マスコミ各社による世論調査では、各社ごとに結果が大きくことなっているようだ。 http://www7.atwiki.jp/epolitics/pages/224.html リンク先のサイトはid:seijigakutoさんが執筆なさっておられるようなので、出所としては一応、信用…

分断は既にそこにある、床屋談義風に

http://benli.cocolog-nifty.com/la_causette/2009/10/post-8fd3.html 小倉先生のこの記事を読んでいて、なんかいろいろと溜息。 僕は子供手当てに差別性があるのは否めないと思いますね。 小倉先生は子供を持つか持たないか、選ぶのは個人の選択次第だと言…

NHKとインターネット

ラジオから白黒テレビへ、白黒テレビからカラーテレビへ、地上波から衛星放送へと放送フォーマットが変わるたびに、NHKは新たなビジネスモデルを展開し、収益の確保を図ってきた。公営放送にしては非常にビジネスマインドが強い企業である。 とは言え、NHKの…

岡田外相と天皇を巡るデマ

国会の開会で、天皇陛下のお気持ちが込められるよう、配慮した方がいいのでは、と岡田外相が述べた件については、ご当人からエクスキュースが出ているようだ。 それを読めば、やはりこの人らしく、原理主義的な思考をしている。 天皇の国会開会宣言は国事行…

アメリカの国益考

ベストセラーになった「銃・病原菌・鉄」の中で、ジャレッド・ダイアモンドは、大航海時代以後のヨーロッパ世界の優位性の理由を中国と比較して、その政治的多様性に求めている。 その本を読む以前から、私もまた同じような考えを持っていて、あの本に書かれ…

沈まぬ太陽に描かれた「国航」の労組問題について

沈まぬ太陽について4回目の記事だが、反応等について。 前回の記事にid:Ez-style氏が “仮にそれが事実であったとしても、労使交渉とはそういうものであって、それが労働組合委員長の正しい姿であろう。” そうなんだ。労組って鬼畜の集まりなんやね とのコメ…

ヴェルサイユの菊

現在、NHKで人形劇が放送中の「三銃士」だが、あれに登場する王妃アンヌが、ルイ14世の母にあたる。 ブルボン朝創設以来、フランス王権はむしろ弱体化していて、ルイ14世は少年期にフロンドの乱で逃げ惑う屈辱を経験している。群雄割拠化する貴族の力をいか…

「沈まぬ太陽」の手法について

池田信夫氏が、“「沈まぬ太陽」は100%フィクション”と題した記事をお書きになっておられる。笑うべきだろう。 そもそも「沈まぬ太陽」は小説であって、ドキュメンタリーではない。小倉寛太郎氏の話ではなく恩地元の話である。そういう意味では「100%フィク…

「沈まぬ太陽」と日航の体質

映画「沈まぬ太陽」を昨日、観て来た。 3時間半はいかにも長丁場であるし、映画作品としてどうかと言われれば不満な部分は多々ある。ただ、こういうかたちで、こういう脚本で映画化されることに、意味があると思うし、この作品は「こうでなければならなかっ…

カトリックの復権?

宗教のことは全然フォローしていなかったら、はてなブックマーク経由で、聖公会が大揺れなのを知る。 http://www.guardian.co.uk/commentisfree/andrewbrown/2009/oct/20/religion-catholicism BBC NEWS で検索して関連記事を読む。 http://search.bbc.co.uk…

少子化対策の非人道性

私の思想信条を大雑把に言い表すならば、リバタリアニズム思想が最も近い。ただし経済政策的にはすでにリバタリアンとは言えないと自覚している。 自由を巡る問題では、わりあい徹底したウルトラで、そういう立場から言えば、少子化対策には、法の下の平等を…

ポリティカル・コンパスで見る政治思想の立ち位置

政治家をどの位置に置くかも、しょせんは主観ではあるのだが、敢えてそれをしてみようと思う。 アメリカ> アメリカの歴代大統領(FDR以後)をポリティカル・コンパスに位置づけてみた。リバタリアニズムの大統領がいないことが分かる。一般に、レーガンはリ…

駝鳥化する保守

進化生物学の有名な仮説に「赤の女王仮説」と言うものがあります。内容は大雑把に言えば、生き残るためには変化しなければならないと言うものです。 私はこの仮説について考えるたび、アイザック・アシモフが創作したスペーサーと呼ばれる長命人種の運命につ…

天は人の上に人を作らず

米南部、異人種間の結婚認めず 「差別」と反発 米南部ルイジアナ州で、白人と黒人のカップルから結婚証明書の発行を求められた治安判事が「異人種間の結婚では子どもが不幸になる」として証明書発行を拒否し「時代錯誤の人種差別だ」などと物議を醸している…

憎悪を基盤に置く保守主義

日本の「保守」は社会主義 - 田中良紹の「国会探検」 日本の自民党と民主党との間に英国の保守党と労働党や米国の共和党と民主党のような違いを作れるかと言えば難しいと私は思う。なぜなら日本の「保守」は戦前から一貫して「社会主義的経済政策」を推進し…

ビル・クリントンの対日外交

最近、1995年のAPEC大阪会合に当時のクリントン米大統領が欠席した経緯、及びその事後が明らかになった。 1995(平成7)年11月に大阪で開かれたアジア太平洋経済協力会議(APEC)非公式首脳会合を欠席したクリントン米大統領(当時)が、埋め合わ…

法律違反?

法律を知らないリゴリスト - 玄倉川の岸辺 私もこの件で、「法律違反」だの「憲法違反」だのと言う人たちを見て、ほとほと呆れてしまった一人である。 玄倉川さんはお優しいから「少し落ち着いてほしい」と呼びかけていらっしゃるが(つまり、ある種のそそっ…